ダサ倉君に焦がれたい






そんなあたしなんかに気付かないのか、



「つばさちゃん、何か飲む?」



朝倉君はキッチンに立ってあたしに聞く。




「おっ……お構いなく……」



そう言うものの、



「あ。今、コーラがたくさんあるんだった。

……って言っても、つばさちゃんにはコーラなんて出せないよね」



「コーラでいいよ」



「待っててね。紅茶にするから」




なんて強引に紅茶を出されて。

そして、美味しそうなクッキーまで出てきて。




「貰い物で申し訳ないけど」




朝倉君もあたしの近くに座る。




ひたすらドキドキして、顔に血が上った。

紅茶やクッキーなんて喉を通らなかった。

こうやって、朝倉君といるだけでご馳走様だ。


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