*゚闇に沈む少女*゚



まぁ、これだけは明かしても大丈夫だろうと判断した。



「はぁ、仕方ありません...一つだけ教えてあげます。




僕は この時代の者ではありません。」





「「「「......はぁっ!!??」」」」





僕以外、ここにいる全員が
間抜けに呆然としていた。






「つまり、別の時代から来た...という事です。」





「嘘だろっ!?」




「でも その服装とか、この時代の物じゃないんだったら納得いくかも...」




「確かに...」





「証拠は?」





「この服装と私の時代では 刀は使いません。



僕の時代では、法律により罰せられます。」






まぁ、僕は持ってるけど




「そうなんですか?」






「えぇ この時代より平和ですから」




まぁ、一般人は...だけどね。




僕は、殺し屋を生業としていたから
命を狙われてもおかしくないし



この時代のように 生きるか死ぬかの狭間の中を生き抜いてきている。







「そこでだ、皆と話し合ったんだが...



君、壬生浪士組の隊士にならないか?」






近藤さんの口から突拍子もない
言葉が爆発した









突然の事過ぎて 驚いた。





「僕が...隊士ですか?」




「えぇ、沖田くんと藤堂くんが
貴方が 剣を使えると言っていたので」





ふーん、、でも 絶対に




「...お断りします。」





僕が、隊士...有り得ない
しかも 見知らぬ人と組むなんて 無理。







もう僕は、誰とも関わりたくないのだ







「どうして?」





捨てられた子犬のように、シュンとする平助。





「単純に嫌だからです。」






理由なんて言えるわけない





「もう決定事項だ。」






「...そんなの知りません、それは あなた達の事項でしょ?



僕には、関係ありませんから。」






誰が何と言おうと....却下だ。






僕は 立ち上がり
この場を去ろうとすると...




「何処に行くんです?」





足止めをする、沖田さん





「勿論、出ていくんですよ。
元々、最初からそのつもりでしたし。」




「決定事項だって言っただろ。」





巫山戯るなだし...僕の知ったことでは無い






「お断りしますと言ったはずです。



貴方が言おうと...例え近藤さんが言おうと
僕は絶対に入隊しません。



それでは、お世話になりました。
失礼します。」





襖を開けて 出て行こうとすると...





「待ちたまえっ!!!」




近藤さんに いきなり大声で話しかけられた。







僕は、近藤さんの方に振り向く。





「何ですか....?」




振り返ると皆...何故か、暗い表情だった。




「どうしても 出ていくのかね??」





近藤さんは、行かないで欲しいという
顔をしていた。




だけど 僕はここで留まる訳にはいかない...






「えぇ、行きます。」





何も悟られ無い様に 無表情で話した。





「どうしてだ...そんなに俺ら、信用ならないか??」





永倉さんは 誰にでも優しい
皆の兄的な人柄なんだろうと、この1日でわかった。








「現在(いま)、不逞浪士や長州の奴らで


街を女1人で 出歩くなんて危険だ!!!」




原田さんは 馬鹿だけど
明るくてムードメーカーな存在。





「確かに...僕は女ですが。




戦う術はありますから、心配する必要ありませんよ。」





「...だけど。。」






確かに、皆は こんな僕にでも優しい。




だけど、その無償の優しさは
僕の心を締め付ける。





「僕は それでも、ここに居たくない。



別に 良いじゃないですか、僕の事なんて どうでも。」





「どうして、そんなに 自分を責めるのですか??」



山南さんは 心配そうな表情...


ここにいる人は、皆 超が付くほど
近藤さんに 負けず、お人好しだ。






「まぁ どんなに駄々を捏ねても、お前には 俺らが 力尽くでも居てもらうけどな。


長州に捕まったりされたら厄介だしな...」





...1人を除いては、だけど。







もう何を言っても無駄そうだから
一か八かの、賭けに出た。




「そんなの知ったことじゃありませんよっ!!!」




「っ!!??」



僕が 突然大声を出したせいか
みんな驚いてた。




「僕には、そんなの関係ない事ですし...


僕がどうしようかは、僕の自由です。
貴方達に決められる義理はありません。


...だから もうさようならです。
今後は もう二度と会うことはありません。


では、失礼します。お世話になりましたっ!!!」




――――........スパンッ!!!




襖を開け、全力疾走で屯所から 離れた―――――



皆 とても悲しい顔をしていた事も
幹部たちでこんな話をしてたのも



僕は、知らずに............





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