*゚闇に沈む少女*゚
☆山南side☆
朝日が少し登り始めた頃...
私は 顔を洗いに行こうと井戸に向かった。
すると、雛菊さんが中庭で素振りをしていた。
素振りをする彼女を見て 思わず見蕩れてしまう程、刀の構えはとても美しいと思った。
雛菊さんの事は 名前の事だけしか
私は知らない...。
雛菊さんは 仕事とかで支障出るからと
教えてくれたけど、実際は教えることが嫌そうだった...。。
彼女の生きてきた人生は、どれだけ辛かったのかとか 考えても 想像以上な事が有りそうで 考えるだけで、正直 冷や汗が出る。
一君の話を聞くと雛菊さんの
気配の察知能力は 我々の桁違い...。
しかも、ずっと神経は鋭くしたまま...
一君が 心配そうな顔するのは 私にもわかる...。
それに、長州達の戦いの対処が驚きだった...
刀を使わず、軽々と交わしたり...素手で鳩尾などを食らわし、次々 気絶させて行った。
それに....あの土方君でさえ 歯が立たなかった。
だけど、彼女は 土方君が油断をして負けてしまった。
これがもし、戦場だったらと思うと
とても冷っとした。
あの言葉といい、戦い方といい
......雛菊さんは、いろんな戦場を場数踏んできた人だと言うことを察した。
その彼女の志や刀の強さや、いろんな文化を知ってる。
それに 彼女から表情を伺えないけど...
優しいさと温かみのある人、そんな彼女に いろいろ教わりたいと共に...
大人として、仲間として....
彼女の孤独と仲間の温かさ...
それから、彼女に隠された 闇の荷物を軽くしてあげたい...と私は思った。
だから...近藤さんが、必死に隊士になるよう交渉してた事に...私も 雛菊さんと新撰組の力で 様々なことを乗り越えていきたいと想い お願いした。
私たちの思いが通じたのか
新撰組に入ってくれると言ってくれた時
ホントに良かったとほんの少し安心感かあった。
暫く、彼女の事をいろいろ考えていると...
一君と話し終わり こっちに向かって来る雛菊さんの足音が近づいてきた。
私とした事が......不本意ながら、立ち聞きしてしまった...何とか濁しそうと思い井戸に向かおうとした...すると...
「おはようございます!」
「おはようございます。」
まだ顔がわからないけど、言葉を交わしてくれるだけでも 安心した。
けど 安心したのも束の間...
立ち聞きしてしまった事を 雛菊さんは知ってたから......柄にもなく驚いてしまった。
改めて 彼女の力を舐めてはいけないと
実感と確認をした、私だった。
☆山南side-END-☆