*゚闇に沈む少女*゚


あれから、大阪力士乱闘事件が過ぎた。





その次の日 芹沢鴨に呼び出された。






罰は 勿論 受ける覚悟があった。







「芹沢さん、雛菊です。」





「入れ。」






芹沢鴨の返事の後、襖を開け
部屋に入った。






「昨晩は、申し訳ない事をしました。」





取り敢えず、3つ折りに頭を下げた。






「....どうして、俺を気絶させた?」





「あの場を穏便に済ませたかったからです。



あなたに 始めてお会いした時....

芹沢さんはこの壬生浪士組を、愛してるんだとわかりました。




なのど、壬生浪士組のためにも
そして....芹沢さん自身のためにやりました。」






「....そうか、お前 何者だ?」







芹沢さんには 話しておくべきだと思った。






「僕は、未来から来た者です。」





芹沢鴨は 目を大きくした。





「それは、本当か....?」





「はい、この箱は未来では携帯と言い


相手にお話したい時などに使う物で
この布は ハンカチと言い、今で言うと 手拭いです。」





僕の手荷物を証拠に 未来人だと話した。




芹沢鴨には、隠し事は無理だと判断したから。




芹沢さんの表情は、納得した感じがした。





「それで、何が目的だ?」





「未来を変えたいと思いました。」





また、芹沢鴨は驚いていた。




「少しでも良い未来に...
この未来の先に 争いが始まります。




その争いを減らしたいと思いました。」





「ふん、甘ったれが。」





確かに、僕が言うことは
綺麗事に過ぎない。




「僕は....ずっと孤独でした。




親に捨てられた 僕は裏社会に売られ
殺し屋というものになりました。




そして、今こうして役に立てるのが
嬉しいのです。




その恩をこの人たちに返したい。




確かに、日は浅いけど....
縁というものに 出来てしまえば
手を出したくなってしまうんです。」






「....そうか。」






頭を挙げられず、俯いていた。




「顔を見せろ。」




と言い、芹沢鴨が僕のフードを外した






「........。」




この人には 何もかもされる覚悟だった。





「綺麗じゃないか。」





「僕自身は、こんな容姿好めませんけど。」






しばらく、沈黙が続いた。





「お前、儂の小姓になれ。」






「わかりました、その変わり条件があるのですが....」






「....言ってみろ。」





「もっと近藤さんや隊士たちと仲を深めませんか?」





「何故だ?」






「芹沢さん、新見さん、近藤さん、土方さん、山南さんの力があり



そして、隊長や僕、隊士の力があれば
この壬生浪士組を大きく出来ると....思ったからです。」






芹沢は、凄く驚いていた
こんな小娘が そこまで考えているとは
思っていなかったから。




「....儂も、もう少し長生きするのも悪くない。」




「....えっ。」





「わかった、その条件飲もう。」






芹沢鴨の懐の大きさと近藤さんの器が
あれば、きっと大きくなる。
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