*゚闇に沈む少女*゚



組長の近くに行くと





「雛菊さん」





沖田さんが 僕に気付いた。





「お酌しに来ました。」





「ん、ありがとうございます。」





沖田さんは、子供と大人の狭間な笑顔で笑う。





「おぉ、雛菊 俺にも酌しろー!」





「はいはい。」




酔っ払う永倉さんに 酒を注いだ。





「しかし、最近 柔くなったな....」




「そうだな、芹沢さん達も最近は良い感じだしな。」






「そうだな....。」






斎藤さんと沖田さんは お酒強いから
全然 赤くにもなってない。






「紫陽花が来てからだな。」





「やっぱり、入隊してくれて正解だったな!」






....こんな正体も不明な人で
顔も組成も教えない、僕にも 当たり前のように 普通に話してくれる





ここの優しさは嬉しいようで
少し胸に刺さる....。







「違いますよ...皆さんには 元々大きな絆が繋がっていた。



だけど、お互いが不器用だから....
どうしていいか分からず迷っていただけの事。」







人は、迷ってもやり直せる....
僕みたいな化け物とは違うのだ。






「それを 繋いでくれたのは、君でしょ?」





「違いますよ、皆さんの努力の結果ですよ。」






....僕は、何時でも交じることは無い。






「...君も、不器用ですね。」





沖田さんが そう呆れるよう笑われた。








「まだ、その被り物取らないのー?」





子犬の如く 上目遣いな藤堂さん
酔っ払ってらっしゃる....ほんとに無自覚なのかと疑いたくなる。






「うーん、これが落ち着くからな....」





「ふーん、でも紫陽花の顔見てみたいなぁー?」






「....何時かね。」








何時か、僕は この人達に話す日が来るのだろうか....僕の過去と正体を、、、





僕は、只恐れているだけ
僕の生き様を聞いてしまったら、離れて行ってしまう気がしたから....






そう、僕は只の臆病者なだけ................。。



「芹沢さん、もう夜遅いです。



明日 仕事ある人もいますし
飲み直しは、屯所でしませんか?」





「そうだな...お前のお陰で満足した。





皆もの、今日はもう解散だ。





また、儂らと頑張ろうな....」






この華々しい宴会は....
花火が散るような静けさになり。






宴会はお開きとなった。






こうして、大和屋の火事事件も無く
無事 芹沢鴨さんの評判も上がり 暗殺を食い止め、僕は歴史を新たに作り替えた。



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