*゚闇に沈む少女*゚




僕は、あれから 部屋に戻り
いろんな思いを誤魔化す様に 布団の中に潜った。





何時の間にか 寝ていたけど
薄暗い時刻に目が覚めてしまったので




朝日を見ようと屋根の上に座った。






「何してん?」





この関西弁は1人しかいない





「ただ、外を眺めてるだけです。」





「そうか。」





声を掛けて来た、山崎さんは徹夜だったのか目の下に隈が出来ていた。







「部屋に帰って、寝たらどうです?」







「お前が心配するほど、猥は柔じゃない。」






時間が経つに連れ、陽が昇ってきた







この時代は 空気が綺麗なのか 
自分の時代よりも何倍も美しかった。







「....綺麗。」






僕とは、正反対だ....
眩しすぎて 思わず目を背けてしまいそうだ。





暖かく優しい日差しは、新選組に相応しいと思った。



彼らが 陽光(ひかり)なら 陽光に相応しくない...触れることも許されない、僕は 暗陰(かげ)となる。





「猥は 先に戻るな。」





僕の頭に手を置いて、山崎さんは去った。




何かを堪えるように 膝を抱え
僕は暫く 動けずに居た。

< 56 / 65 >

この作品をシェア

pagetop