*゚闇に沈む少女*゚


ここが、仮に江戸時代だとして....
不良を例えるなら不逞浪士..だよね???




まるで独り言の様に 考えていた。






「僕謝ったよね?



此処に僕が居たのは悪いとは思うけど...
元は そっちがぶつかってきたんでしょ」





僕の正論に、おじさんはイラつきを顕にし始めた。






「それとさぁ....



お酒を楽しむのは構わないけど
健康のためにも飲む量は程々にしといた方が良いよ??」





彼に助言してあげたつもりなんだが






「あぁ!!?小僧の分際で 俺様に説教か 舐めやがって!!!」





油に水を指したらしく




短気な性格なのか、刀抜いてきた。






理不尽だよねぇ....僕は 彼の健康を心配したのにさ。






内心 巫山戯ながら、毒舌を楽しんでいた。







痺れを切らした、不逞浪士は....





「おらぁぁっ!!!」






刀を振り、こちらに向かって来た。






「やれやれ、短期は命拾いだと言うのに。」







――――ブンッ!!!




振り降ろして来たので
当然 刀を交わし バク転し間合いを取った。







確実に江戸時代だと..確信した訳じゃないから、見知らぬ土地で殺られたくない



強い人になら 死にたい僕は大歓迎だけど....
こんな弱い人に斬り殺されるのは、僕のプライドが許さない。






交わしたのは良いんだけど...






「......めっちゃ遅い。。」






酔っ払ってるせいなのか知れないけど
余りにも遅くって 驚いた...






仮にも、江戸時代なら



まさに 切り殺されるのは当たり前のような時代で、生きるか死ぬかの狭間の人らだから




多少は強いのかと思っていたけど
それは どうやら...幻だったようだ。。。






殺しのプロの僕としては
刀を振り回しているようにしか見えない。







こんなのじゃ、掠り傷すら与えられない








一方的な攻撃を繰り返す不定浪士は
疲れを見せ始めた





「ゼェゼェ...。。」






息を切らす、彼は体力の限界らしい






「ねぇ、もう疲れたの?早くない??」





「う...煩せぇ...。。」






それは、まぁどうでもいいんだけど....




さっきから 僕を見る視線を感じた


目だけ野次馬の方に向けると
そこには浅葱色の羽織りを着た2人組が
紛れ込んでいた。




恐らく、彼らは新選組だろう。




彼らが存在するということは....
江戸時代の末期....幕末という事になる。




疑念が確信に変わってしまった




あぁ...それにしても、どうしようかなぁ
体力ない事を見越して 全力疾走で逃げるという選択があるけど




この避けている所を見られている時点で
怪しまれているのは 確かだし...



最も 早く気付けてれば....






「....めんどくさい事になったなぁ。」





これから先に 思いやられるのかと思うと
盛大な溜め息が、再び溢れた。







この不逞浪士は、斬りかかっている時点で
屯所行きだし、僕も 手遅れだし




........という訳で♪





「ねぇ、不逞浪士さん。



...僕に敵に回したこと恨むないでよね?」





「はっ....ガキの分際で何がてきる。」





激弱なくせに、鼻で笑いやがった
手加減してやろうと思ったけど辞めた。






「...Time out,気絶してね」






「なっ......舐めやがってっっ!!」




煽っているのにも知らず
茹で蛸のように 顔を真っ赤にして 刀を振り降ろして来た...





そんなの....





「当たる訳ないでしょ....身の程知らず。」





―――――バキッ!!!





本当は 殺してやろうかと思うくらい
頭にキタけど...




優しい僕は、気絶で済ませてあげた事を
有り難く思ってほしい





「ぐはぁっ!!」




刀を持っていた腕を掴み、
そのまま..鳩尾を思いっきり殴り気絶させた。





「ご愁傷様でーす♪」






不逞浪士を倒した事に寄って






僕の新たな運命の歯車が
動き出そうとしていた―――――
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