*゚闇に沈む少女*゚
少々疲れたが、息切れする程ではない。
「おい。」
何故か、沖田さんでも斎藤さんでもない
低い声が聞こえたと思ったら 土方さんがいた。
「何ですか、土方さん?」
「隊士との稽古に2試合、しかも 総司と斎藤の相手して疲れないのか?」
「まぁ、多少は疲れましたけど…」
盗み聞きか…悪い趣味だなと、心の中で思っていた
「盗み聞きなんて趣味悪いですねぇ、土方さん♪」
僕の心情を代弁してくれて、ありがとう…沖田さん
「盗み聞いてねぇーよ、体を動かそうと来ただけだ」
二人で、お決まりの言い争いが始まった
まぁ これで土方さんの部屋に行く手間が省けた。
「土方さん、外出許可くれます?」
呉服屋に行くために
「ん、あぁ 構わねぇが…」
折角、部屋に行く手間が省けたと思ったのに
結局行く羽目になった
「これ、小遣いだ好きなのも買ってきていいぞ」
「…何でですか?」
「まぁ、活躍がいいからな」
だけど…10両も、断ろうとも思ってたけど
土方さんの行為を 素直に受け取る事にした。
「ありがとうございます。」
お礼とともに、僕の決意は強く持ち
部屋を後にして 呉服屋をどうやって辿り着こうと考えていた時
「おっ、雛菊じゃん!」
「どっかに行くのか?」
声を掛けてきたのは、永倉さんと原田さんがいた
「ちょっと、散歩に…」
「そっか、もう少しで平助が巡回から帰って来てから
一緒に行かね?」
おっ、これは好都合かも。
「僕 買いたい物あるけど良い?」
「珍しいな、勿論だ!」
二人の部屋で、雑談しながら
藤堂さんの帰りを待った。