*゚闇に沈む少女*゚


暫くして、藤堂さんが巡回から帰って
僕達は 今京都の街を歩いている





「その荷物、何?」





僕の持っているバッグが気になったんだろう





「秘密です」





「ところで、雛菊が行きたいと言ってたとこって何処?」





「呉服屋です。」







三馬鹿は 驚いたものの
何も言わなかった




他愛もない話をしていると
呉服屋と書かれた看板があった






「すみませんが、此処で待っててくれます?」





「あぁ、わかった」





三人に了承をもらい、僕はお店に入った






「いらっしゃい!」




中に入ると、美人なお姉さんがいた





「このお金で、袴と着物が欲しいです」




「わかったわ、ちょっと待ってね」




と言い、お姉さんは奥へ行き
着物を選びに行った。





2分くらい経った頃





「お待たせ、袴と着物よ」




紺色の袴と濃い紫の着物




「ありがとう、あのお願いがあるんですけど....」




お金を払った後、奥を借りて
袴を着て 茶色のカラコンと茶色のウィッグをして 長い髪をポニーテールに結んだ



着替え終わった、僕は お姉さんにお礼を言い お店を出た






「お待たせしました。」




待っててくれた、3人に声を掛けるが....





「「「お前、誰....??」」」





と言われた、まぁ 別人に見えても可笑しくない





「紫陽花です。」





「えっ!?」





「マジっ!?」





「誰かと思った!!」





素直な感想...





「何時までも、後ろは向いていられませんから。」





「....そっか!」





驚いていた3人は、にこやかに笑ってくれた
新選組は 暖かい人たちばかりだ




暖かい場所にいると、手を伸ばしたくなるそんなの僕は 許されないのに......





「さ、次は甘味に行こうぜ!」



「雛菊の分は俺が奢ってやるからな!」




余りにも 優しい顔で言うから






「はいっ!」





硬いかもしれないけど
つい釣られて 私も笑った





僕は ちゃんと前に進んでるだろうか
小さな私の1歩は まだほんの少しに過ぎないけど 貴方達の優しさに




僕は、応えたい。






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