秘密
ひとめぼれ
『3月24《土》深夜、2時13分』
「‥‥‥美希のいないこんな人生、どうでもいい。生きていても、楽しくない。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。死にたい。」
終わりの見えない長くて辛い人生。誰に言うことでもなく、博登は、夜空に向かって呟いた。長くて辛い人生と似てるように、終わりのない夜空は満天の星空が広がっていた。満天の星空が広がっており、きれいな夜空の象徴とも言える。
「今日に限って、夜空はむかつくほどきれいだな。」
フッと鼻を鳴らし、博登は小言を漏らした。自分の人生と似ても似つかない自然な夜空に嫉妬心が込み上げ、今の自分には何もかもうらやましく感じる。
「自殺する日ぐらい、僕の人生そっくりな大雨だったらいいのにな‥‥‥」
そう言って僕は、一軒家の二階建ての屋根から下を見下ろした。高さは8メートルから10メートルぐらいだったが、下は石畳の広い庭が見える。石畳の広い庭には大きな松の木や、小さな桜の木が見える。それと、小さな池に数匹の鯉が泳いでおり、カミソリのように尖った庭石が置かれている。カミソリのように尖った庭石に頭を強く打ちつければ確実に死ねるし、一瞬で楽になれる。
< 1 / 9 >

この作品をシェア

pagetop