こゝろ





それから撫子は、チェーンを引っ張って、首を締め上げました。こうすると、息ができなくなって、頭がボーッとしてきて、手も足も動かなくなります。



「はい。動いたらこうする。」



撫子はまた、私の頬を叩きました。



「さあ、言う? それとも死ぬ?」



叩かれて、手足を動かす。手足を動かすと首を締め上げられ、手足が動かなくなる。また叩かれる。



この繰り返しの拷問によって、私はとうとう言ってしまいました。



「滝さん……がっ……。」



「滝? 滝って、あの滝?」



撫子の手が止まりました。



「滝がどうしたの?」



「い、一緒に……話して……。」



撫子の眉間に数えきれない数の皺が寄りました。




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