こゝろ





そう心に決め、待ち合わせ場所の山奥に自転車で向かいました。



_____自転車の前カゴには、裁ちバサミを入れて。



カラカラカラッ……。砂利道を走ると裁ちバサミが跳ねました。私はこの時、冷静な判断ができていなかったのです。



撫子を殺さなければならない。そうしないと、佐久間さんと滝さんが可哀想。そして、今度は私や島原くんに危害が加わるかもしれない。



法で裁いてはいけない。服役して、数十年後に外に出て、偽名で生活し、結婚して幸せになるなんて間違ってる。



人を殺した人は、人に殺されるべきなのです。



佐久間さんや滝さんと同じ想いを、殺された被害者と同じ気持ちを味わうべきなのです。




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