こゝろ
島原 花月(しまばら かづき)くん。バスケ部のキャプテン。
私は彼のことがずっと、ずっと好きでした。
痩せていて、「もやしキャプテン」なんて呼ばれて、頼りがいの無さそうな顔をしてますが、彼を見ているとどこか和んで、ほっこりとします。
その顔に似合って、島原くんはすごく優しかったです。
私はよく日直の仕事や掃除当番を押し付けられることが多かったのですが、その時、いつも「大丈夫?」とか気にかけてくれたり、「オレもやるよ。」と手伝ってくれたりしました。
彼の優しさに触れて、私は彼のことが好きになって、それから多少古風かもしれませんが、ラブレターを書いたこともあります。ただ、書いただけで、渡すことはできませんでしたが……。
それくらい好きなんです。好きだったんです。だから、もし彼氏を作るなら、その相手は島原くんしか考えられませんでした。