こゝろ
撫子はスコップ。私は裁ちバサミ。
普通に考えると、スコップの方が大きいので、撫子の方が有利です。
斧にナイフで立ち向かうようなもの。ただ、スズメバチのように懐に飛び込めば、私にも勝機があります。
まともに殺り合うのではなく、不意を突くのです。その不意がどんなに汚いやり方でも構いません。そもそも私が今、相手にしているのは汚い女、汚い人間なのです。
汚い人間にはどんな汚いことをやっても「自業自得だ。」と言って、世間からも許されるのです。「正々堂々」という武士道のような堅苦しく、古臭い考えが、命取りになるのです。「お国のため。」なんて洗脳で、無駄に命を捨ててしまうのです。
偉いのは、どんなに醜くても、しぶとく生き続けることなのです。
だから、撫子にどんなことを言われようが、世間からバッシングを受けようが、生きていればそれでいいのです。