こゝろ





「_____!!!」



声にならない私の声が、森中に響き渡りました。これが私の声なのかしばらくわからないほどの激痛。口中に鉄の味が広がって、ああ、気持ちが悪い……痛い! 痛い! 痛い!



「大丈夫? すっごい血が出てるよ?」



撫子はポケットからマスクを取り出して、それをガーゼ代わりに私の右頬に当てました。



「まあでも、すぐに止まるよ。こうやってマスクしてたらね。だから_____。」



裁ちバサミを今度は、私の左頬に当てて、また_____




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