こゝろ
「ヒー!! ヒー!! ヒー!!」
もうそんな声しか出ませんでした。口の中が血で溢れ、息が苦しくなり、私は顔を傾けて、口の中の血を地面に吐き出しました。
制服を見ると、ワイシャツが真っ赤に染まっていました。
「はい、おしまい。あとは、これをガーゼ代わりに当ててたらきっと良くなるよ。」
そう言って、撫子は丁寧にマスクを耳にかけてくれました。目にはなぜか涙を溜めていました。
「優心……。よかったね。ホント、よかったね!」
そう言って、撫子は血の付いた裁ちバサミを思いっきり振りかぶりました。