こゝろ
それから日野さん……いや、撫子は「約束破ったら絶交だからね?」と言って、支払いを済ませ、ファミレスを小走りで出ていきました。
ガラス窓の向こうで私に向かって笑顔で手を振っていて、私もそれに対して笑顔で手を振りました。
「また明日ね!」
声は聞こえませんでしたが、撫子の口の動きは、そう言っているように見えました。
「また明日ね!」
私の声も聞こえてなかったと思いますが、撫子は頷いて、横断歩道の向こうに走って行きました。