こゝろ
この日の私の放課後は、ウォータークーラーと体育館の往復で終わったようなものでした。
練習後に島原くんは、私に残るように言いました。
「ちょっと手伝ってほしいことがあるんだ。」
そう言って、島原くんはバスケットボールがたくさん入った籠を転がしてきて、ゴールの後ろにいる私の前に置きました。
「ここからオレに向かって適当にボール投げてくれないか? それを受け取ってレイアップの練習をしたいんだ。」