こゝろ
撫でる





「それで、結局その約束はどうなったわけ?」



放課後のフードコート。かき氷で舌を青く染めた撫子にそう訊かれました。



「まあ、一応行く約束はしたけど……。」



「へえー、やるじゃん。」



撫子はストローの先を切って作ったスプーンを私に向けました。



「優心も女だねー。」



「へ?」私は驚いて、スプーンにかき氷を乗せたまま落としそうになりました。



「男に見えるってこと?」



「そうじゃないわよ。ただ、あいつらの前ではいつも好きな人いないとか言ってたから、てっきりそういうのに興味ない側の人間だと思ってたから。」



撫子の話を要約すると、そういうのに興味ない人間イコール女じゃないってことみたいです。




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