こゝろ
二人乗り
滝さんからの依頼という名の命令を受けて、憂鬱な気持ちで放課後を迎えました。
私は一度、家に帰って着替えや歯ブラシなどのお泊りセットをリュックサックに詰め込んで、撫子と待ち合わせしていたファミレスに向かいました。
撫子は既に来ていて、ドリンクバーで注いできたジンジャーエールを飲んでいるところでした。
「お、優心、こっちこっち!」
撫子が私に気づいて手を振りました。私も撫子に「お待たせー!」と言って、手を振り、駆け寄り、撫子の対面に座りました。
「何か飲んでいく?」
「あ、いや、大丈夫。」
「そう? じゃあ、早速行こっか。」
伝票を持って撫子が立ち上がります。私も一旦付けた腰を浮かして、撫子に続いて、ファミレスを出ました。