こゝろ
「え!? ちょ、ちょっと……撫……子……?」
「ごめんね、優心。これは本気。」
撫子の笑顔はやっぱり、恐怖を感じさせる、冷たいものでした。
「島原くんを殺す。島原くんさえいなくなれば、撫子が傷つくことはない。もちろん、私が優心と結ばれることもないけど、優心が傷つくくらいなら、島原くんじゃない誰かに取られるくらいなら、それで構わない。それくらい、私は優心のことが好き。」
物凄く重い想いに、私は胸が押しつぶされそうになりました。そして、今すぐ逃げ出して、撫子の柔らかそうな口から発せられた言葉を島原くんに伝えたくなりました。
「まあ、それとは別の方法もあるんだけどね。優心を永遠に私のものにする方法が。でも、それは最終手段。」
その方法についても、私は直感的に気づいていました。