こゝろ





撫子はトイレには自由に行かせてくれました。



ただその場合は、手錠に紐のついたようなものを両腕に付けられ、トイレのドアは半開きにしなければなりませんでした。



音も撫子の耳に届きます。臭いも撫子の鼻に届きます。



「いっぱい出るね。まさか、ずっと我慢してたの?」



半開きになったドアの隙間から、顔を覗かせて撫子はそう言いました。




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