こゝろ
そして、お昼休みを迎え、私は約束通り、撫子の元へと向かいました。
指定された待ち合わせ場所は屋上で、撫子は既にベンチに座って待っていました。
「あ、優心。こっちこっち!」
撫子がベンチの隣のスペースをトントンと叩きました。私は小走りで傍に駆け寄り、撫子のトントンと叩いたスペースに座りました。
「遅かったね。」
「ごめんなさい……。トイレに行ってて……。」
私は撫子に嘘を付きました。
「そう。まあ、いいよ。じゃあ、食べよっか。今日はねー、撫子に気に入ってもらえるように天ぷら作ってきたんだー! あ、スイカもあるよ! 食べて食べて!」