彼と私の優先順位
駐車場に車を停めて。

私達はショッピングモール内をのんびり歩き始めた。



「慧、運転上手だね」

「本当?
運転は好きだけど、そんなことないと思うな……」

「言われない?」

「うん。
あ、でも」



慧は私の手を取って指を絡める。

「今日は結奈を乗せるから。
特別に注意したから、かな?」

照れることなくサラリと言う慧に。

「あ、そう……」

ぎこちなく返事を返すしかできない私がいる。



本当に。

同い歳とは思えない落ち着いた態度。

私はもうずっと振り回されている。



目的のお店に着いて。

早速カーテンを選び出す。

「慧、寸法わかる?」

「ちゃんと測ってきた。
お、この色いいなあ」

「ダメだよ。
これ、遮光カーテンじゃないよ。
こっちの柄は?」

二人であれやこれやと手に取って。

色々な意見や感想を話し合って。

お店の人にも教えてもらいながら。

楽しみながらカーテンを選んだ。

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