彼と私の優先順位
インテリアショップで注文を終えて店の外に出ると、もうお昼を過ぎていた。

急激に空腹を感じた私達は、昼食をショッピングモール内にある中華料理のお店で食べることにした。

以前に一緒に食事をした時のように、メニュー選びに悩む私をクスクス笑う慧。

食事の間も慧は、他愛ない話をして私を笑わせてくれた。



そんな慧に。

私はどう接したらいいのか分からなくなってきた。

約束した二ヶ月。

慧は全ての決断は二ヶ月後でいいと言って、何も尋ねようとしない。



二ヶ月経たなくても。



私の奥底にある気持ちはずっと前、あの日別れた時から変わらずにいて。

きっとこれから先も変わることはないと思う。



ただ。

口に出せないのは。

ハッキリと言い切れないのは。

躊躇いがあるから。




高校生の時のようになりたくない。

あんな思いは二度としたくない。

大好きな人と付き合っている筈なのに感じる孤独感。

二人の距離が離れていくような思い。



今、これから。

頑張れば、あの時と同じ結果にはならないかもしれない。

だけど。

今の私は、その頑張り方がわからない。

どうすればずっと、慧と一緒にいられるのか。



そもそも慧は。

あの時の別れの理由を今、どう思っているんだろう。

確かに時間は過ぎたけれど。

私達の間には時間だけでは解決できないものがある。
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