彼と私の優先順位
二人は心配しながらも、席に私を残して日替わり定食を三種類買ってきてくれた。



それぞれ、シーフードグラタン定食に豚のミルフィーユカツ定食、チキン南蛮定食、といったメニューだった。

腹が減っては戦はできぬでしょ、と笑いながら巴ちゃんはチキン南蛮定食を選んだ私に箸を渡してくれた。



「で、何があったの？
っていうかそもそも館本さんと結奈って、どういう関係なわけ？」

千恵ちゃんがグラタンを食べつつ、私に尋ねた。

「そういえば、さっき不動産部にも寄ったんだけど館本さんも真理ちゃんもいなかったわ」



真理ちゃん、という巴ちゃんの言葉にドキッとする。

「……慧とは今、付き合ってる……っていうか高校生の時に付き合っていたの……」

「ええっ！」

「ちょ、ちょっと巴ちゃんっ。
声が大きいってば。
結奈もビックリしてるよ！」

「ごめん。
だって……ビックリしたの！」

「……もしかして結奈がずっと引きずっていた高校生の時の彼氏が館本さんなの？」



私は黙って頷いた。

それから二人に、これまでのことを話した。



高校生の時のこと。

別れてからもずっと慧が好きだったこと。

思いがけず慧に再会したこと。

二ヶ月の期限で現在、付き合っていること。

……溝口さんのこと。


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