彼と私の優先順位
私達は今、期間限定とはいえ付き合っている。

付き合い方にはそれぞれ色々なカタチがあるだろうけれど。



私は。

パートナーに起きた出来事はどんなことでも。

それが些細なことでも。

分かりあって理解していきたいし、知っておきたいと思う。




カンケイナイ、と切り捨てられることが一番辛い。

そんなことを続ければ、自分自身もきちんとパートナーにこれは伝えるべきじゃないかも、と足踏みしてしまうようになって。

心の距離が少しずつ離れていってしまう気がするから。



……それは間違えているのだろうか?



「結奈は俺にどうしてほしいわけ?」

疲れたような表情で話す慧に。

「……最初に話してほしかっただけ、だよ。
溝口さんのこと……。
ずっと小さい頃から知ってるんだよね?」

「……ああ。
俺の実家と真理の実家が近所だから……母親同士も仲良かったし……幼なじみみたいな感じかな」



幼なじみ。

慧をずっと好きだった。

近所の女の子。



慧の言葉に。

パズルが組合わさるように、記憶が甦る。



「……慧、もしかして」

嫌な予感を感じながら、慧に尋ねた。

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