彼と私の優先順位
その内容に。

「えっ……!」

みるみる私の顔が赤く染まる。



フフッと楽しそうに亜衣は笑って言った。

「ね?
そんなに長い時間、慧は結奈を想っているんだから。
あんな華やかな容姿に負けず劣らず策士だし。
そう簡単には嫌われたりしないって。
安心してぶつかっておいで」

私はギュッと胸元で握った拳に力を込めた。

「亜衣……私、今から慧の家に行ってくる」

真っ直ぐに亜衣を見つめて言うと。

亜衣は私の肩をポンと叩いた。



「それでこそ結奈よ。
ほら、待っててあげるから用意して。
一緒にそこまで行こうよ。
あ。
……さすがにその部屋着はやめた方がいいから。」

亜衣に指摘されて私は自分の装いを改めて見直して……。

「これではいかないよ、さすがにっ」

と、全力で否定してクローゼットに走っていった。



部屋に入ってきた亜衣は。

私の服装に有り難くもダメ出しをしてくれて。

気分が上がるように明るい色で行きなさいよね、と忠告をくれた。

白いベルスリーブの五分袖シャツに淡いグリーンのスカートを合わせて。

白いサンダルを履いて、亜衣と共に外に出た。
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