彼と私の優先順位
鞄から手帳を取り出して確認する。
淡いグレーの革表紙がお気に入りの文庫本サイズの手帳。
亜衣いわく、私のイメージではないらしいけれど。
「……ごめん、同期会がある」
記載されている予定を一目見るなり、憂鬱な気分になる。
「同期会?
じゃあ慧も?
あれ、でも慧、何にも言ってなかったよ?」
「入社時に、近くの店舗で仲良くなった同期との内輪の同期会なの」
「そういうこと……へぇ、結奈がそういうのに参加するの珍しいじゃない?
いつも断っているよね?」
亜衣の瞳が今日初めて、楽しそうな色に輝く。
「……前々から誘われていたんだけど……断りきれなくて……」
「慧は知ってるの?」
「……まだ言ってない、けど。
言った方がいい?」
当たり前よ、と亜衣は私に返事をする。
「まあ、慧のことだから、いい顔はしないだろうし、迎えに行くとか言いそうだけど。
慧は何だかんだで独占欲すごいから」
亜衣の言葉に目をパチクリする私に、亜衣がキョトン、とする。
「え?
何で?
慧ってそうでしょ?」
確認するかのように話す亜衣に。
「えっ?
え、……」
急にドキドキして返事にまごつく。
淡いグレーの革表紙がお気に入りの文庫本サイズの手帳。
亜衣いわく、私のイメージではないらしいけれど。
「……ごめん、同期会がある」
記載されている予定を一目見るなり、憂鬱な気分になる。
「同期会?
じゃあ慧も?
あれ、でも慧、何にも言ってなかったよ?」
「入社時に、近くの店舗で仲良くなった同期との内輪の同期会なの」
「そういうこと……へぇ、結奈がそういうのに参加するの珍しいじゃない?
いつも断っているよね?」
亜衣の瞳が今日初めて、楽しそうな色に輝く。
「……前々から誘われていたんだけど……断りきれなくて……」
「慧は知ってるの?」
「……まだ言ってない、けど。
言った方がいい?」
当たり前よ、と亜衣は私に返事をする。
「まあ、慧のことだから、いい顔はしないだろうし、迎えに行くとか言いそうだけど。
慧は何だかんだで独占欲すごいから」
亜衣の言葉に目をパチクリする私に、亜衣がキョトン、とする。
「え?
何で?
慧ってそうでしょ?」
確認するかのように話す亜衣に。
「えっ?
え、……」
急にドキドキして返事にまごつく。