ヒトツバタゴ


杏さんから依頼されたモデルの件を橘に話す





「へぇ…それで最近よくぼーっとしてたんだ。でも、もう答え出てるだろ?」




穏やかに微笑む橘に「え?」と首を傾げる




『答え』が出ないから、こうして橘に相談したのに?





「傷跡が見えるっていう時点でさつきなら断ってると思うけど、それでもやりたいと思うから悩んでるんだろ?」




橘の言葉がストンと入ってきた




あぁそうね





傷跡を隠して生きてきた私はそれが見えるのが嫌なら例え友達だろうと、すぐに断っている




それを悩んでいるのはやりたいと思っているからなんだ





「杏さんに撮られるのって心地いいよな」




そう言った橘に頷いて、「ありがとう」と伝える





今回のモデルをやりたいと思えるようになったのも、全部橘のお陰だと思う




私のコンプレックスも丸ごと全部愛してくれる橘の…













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