ヒトツバタゴ


エレベーターでレストランのある最上階へ…向かうのかと思いきや、フロント階にある美容室へ連れてこられた




「予約した橘です。よろしくお願いします。」




迎えてくれた綺麗な店員さんにそう言って私を差し出し、店を出ていった





唖然とする私を椅子に座らせ手早くヘアセットをして、メイク直しプラスアルファで施され、促されるままフィッティングルームへと入れられる




綺麗なお姉さんに身包み剥がされ着せられたのは淡い水色の艶やかなロングドレス



大きな鏡に写されたそれはホルターネックの大きなリボンがアップにされた髪に映えている





用意されていたヒールが高めのパンプスに足を入れてフィッティングルームを出る





戻ってきていた橘にエスコートされ、ホテルの最上階にあるレストランに足を踏み入れる






ウェイターに案内され、夜景を独り占めできる大きなガラス窓の近くのテーブルに窓の方を向いて座る



程よく落とされた照明とテーブルの真ん中に置かれた小さなキャンドルが落ち着いた空間を演出する




「きれい…」



目の前に広がるキラキラと輝く街の灯りに思わず零す







運ばれてくる料理はどれも繊細に盛り付けをされ、食べるのが勿体無いほどだったけれど、全てが美味しくてあっという間にコース料理もデザートのみとなってしまった




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