ヒトツバタゴ
エピローグ
それにしてもこの大きなケーキ…どうしよう
プロポーズが終わり、二人並んでケーキを見遣る
「こんなに大きいの頼んだ覚えないんだけど…」
橘も苦笑する
そこへ
パンッ!!パンッ!!…
といくつものクラッカーの弾ける音が響く
誰よ、こんなお高いレストランでクラッカーなんて鳴らしてるのは…
音の方を振り返ると、ズラリと並ぶ見知った面々
杏さんに大也、佳香さん、吉野さん、子どもたち、吉倉さんに安達くんまで…
そして一斉に
「「「「おめでとう!」」」」
と祝いの言葉をくれた
「いつからいたんだよ…」
橘の溜息に、大也が笑って「最初からだよ」と返せば全員が笑う
1人だった私にも
いつの間にか
こんなにたくさんの仲間がいたんだ
ケーキの大きさにも納得ね
「式は来年のゴールデンウィークにするから空けとけよ?」
不敵に笑う橘が私の肩を抱く
さすが橘…
結婚式の日取りももう決めているようだ
ゴールデンウィークの晴れた青い空に
ヒトツバタゴの白い花が降る日に…ね?
fin 2018.01.05