ヒトツバタゴ
〜存在意義〜
今年のGWは実家に帰省することにした
大型連休前は大抵さつきや大也と相談して帰省するかどうかを決めていたけど、大也は結婚してからは家族での移動になるからと別行動になっていて、ここ2年はさつきと2人で決めていたのに今回は連絡がない
と言っても、さつきは甥っ子が生まれてからは大型連休は毎回帰省しているからこのGWも帰省することが安易に予想できる
俺を避けるのは俺の存在に気付き始めたのだとポジティブに捉え、大学の頃から懇意にしている家の近くの旅行会社にチケットの手配を頼む
さつきも同じところでチケットを取っているだろうと予測して、いつもの担当者に飛行機も空港から札幌までの電車もさつきの隣でと無理を言って手配させた
ボストンバッグ一つを持ってGW初日の空港へ向かう
行きは乗った電車がズレたのか空港までの道のりでさつきを見つけることはできなかった
まぁ、飛行機の座席が隣だし気にしない
空港の人の多さに少々さつきが心配になる
パーソナルスペースが広いさつきは人混みが苦手だ
どこかで倒れてなきゃいいけど…なんて考えながら、出発ロビーへ進むと壁にもたれ掛かり人混みを眺めているさつきを見つけた