ヒトツバタゴ
「場所取りしてたら話しかけられて話し込んじゃったけど、さつきのお兄さん?」
さつきに並んで歩き出し、一緒に場所取りをしていた男性の身元確認をすると「うん」と小さく返事がきた
なるほど…それで初めてな感じがしなかったんだ
言われてみれば目元とか似ている
「橘くん久しぶりね、相変わらずいい男ねぇ。いつもさつきがお世話になってごめんねぇ」
さつきとシートに戻ると、お弁当と大量のビールが広げられ始めていてさつきのお母さんから声を掛けられた
「いえ、僕の方こそいつも助けられてますよ」
さつきの存在に
さつきがいなかったら、もっとつまらない人生を送っていたに違いない
一緒に場所取りをしていた男性、つまりさつきのお兄さんが「さつきの彼氏?」とさつきに問う
当然「友達よ」とさつきが答えると意味ありげに視線を寄越すお兄さんに苦笑で返す
これは気付かれてるな…
自己紹介をして、花見の準備を手伝っていると俺の家族も到着し、結局合同で花見を楽しむ事となったわけだが…
4歳下の弟がさつきにしつこく絡んでいる