ヒトツバタゴ


「ねぇ…橘が私を守ってくれるのは友達だから?」


顔を俺から逸らし正面を向いてさつきが問う



なぁ



その言葉は



俺を好きだって意味?



いつもさつきのことを守ってるのは俺だってことやっと気付いた?




「ただの友達がここまで必死に守るかよ」



嬉しさに笑いを零し、「行くぞ」と立ち上がる



この言葉でさつきは気付いてくれるだろうか



俺の想いに




吹き抜ける風が俺の背中を押してくれたみたいだ







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