ヒトツバタゴ
19階にある食堂の入口で回数券を出し、ビュッフェ形式で好きなものをトレーの上のお皿に盛り、いつもの4人掛けのテーブルに向かい合って座る
食べ始めてすぐに大也が吉倉さんの隣の席に座る
私としてはいつも通りの位置なので違和感はないが吉倉さんは突然隣に現れた大也に驚き、挙動不審に顔を赤くしている
「新入社員の子?俺は酒井大也、よろしくね。橘は?」
吉倉さんに自己紹介をして、空いているいつも橘が座っている私の隣の席を見遣る
大也の名前なんて言われなくても誰でも知ってるわよと心の中で突っ込んで返事をする
「うちのチームに配属された吉倉さん。橘はまだ戻って来てなかったけど、食べないとは連絡来てないからそのうち来るんじゃない?」
ふぅんと食べ始めた大也の取ってきた料理は相変わらずアスリートととしてお手本のような栄養バランスを考えられたチョイスで私のように好きなものばかりに偏っていない
「よっ…吉倉明乃です。よろしくお願いします」と有名人の登場に噛みながらも挨拶をした吉倉さんと大也と他愛ない話をしながら食事をしていると昼休みが30分くらい過ぎた頃に橘が私の隣の席にやってきた