プルースト

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朝の電車は心地よい。
赤いレトロな車体は今時珍しいかもしれないけれど、私はこのとろみのある赤い電車がすきだ。最寄りの駅から電車に乗って五つ目の駅。そこに私の学校はある。


柔らかい光の粒を目一杯浴びて、ゆらゆらと電車に揺られる。

今日も帰りに図書館によれば
先輩に会えるだろうか。



「つむちゃんおはよ」


不意に頭上から落ちてきた声に顔を上げると
吊革にだらしなく手をかけながらふわりと欠伸をする顔。


「あ、おはよう」


お日様の光できらきらする色素の薄い髪色が眩しい。
学校で染髪は校則違反だけれど、先生の注意も上級生からの目線もものともしない、そんな金髪の男の子。

私の幼馴染が眠そうな顔でそこに立っていた。
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