キミと秘密の交換恋日記
そう心の中で想い、下に俯いて時田先生が出してくれた緑茶を一口だけ飲み、俯いて固まった。

「じゃあ、愛美ちゃんは四十川君とどうやったら話せると思う?四十川君のなにがなかったら会話ができる?」

時田先生、そんなの全部に決まってるじゃないですか。彼の存在があるから多分わたしは倒れてしまったんです。

「顔?」

そんなことも言えるわけがなくて、女子が男を選ぶうえでまず見ると思ったものをあげてみた。

わたしが顔と言えば時田先生はまた笑って「顔ね。」と短い一言を言い残したのだ。

「愛美ちゃんは顔で人を選ばない子なのね。女の子ってよく顔で人を好きになったりするんだけど愛美ちゃんは違うんだ。」

時田先生が発した言葉にわたしはコクリとうなずいた。

ただ、別にわたしは顔で人を選ばないわけではない。そもそも、人とあまり関わりたくないだけ。

人間は誰でもいつかは裏切るから。大切な人になればなるほど裏切られたときはショックが大きいから。大切な人を作っていつか裏切られるくらいなら、最初から大切な人を作らなければいい。人と関われば大切な人ができるのなら、そもそも人と関わらなければいい。

わたしは一人だとしても、別に生きていけるんだから。

だから、友達とかは欲しいと思ったことはあまりないんだ。
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