キミと秘密の交換恋日記
「まだ授業開始のチャイム鳴ってないし、欠席扱いにはならないんじゃないかしら。だけど、愛美ちゃんが猛ダッシュで教室まで行っても遅刻扱いにはなるけどね。」

遅刻扱いか・・・。

「あの、時田先生。」

わたしが時田先生を呼ぶと時田先生は「はいはい。」とわたしの言いたい言葉がわかったように教科担任の先生に渡すカードを差し出した。

「ありがとうございます。」

時田先生に一礼をして、わたしは勢いよく保健室を出て行った。

**

4時間目は音楽の授業だったから、教室によってから音楽室まで移動しなければならない。

わたしはまず、音楽の教科書を取りに行くため2階にあるわたしの教室へと向かった。

――もう、誰もいないよね?

誰でも遅刻はしたくないものだからわたしはみんなもう音楽室まで移動していると思っていた。

いつもの癖で、誰もいないはずの教室を覗き込んでしまう。

だけど、教室のわたしの席の近くに何人か人が集まっている様子が見える。

もしかしたら、わたしを標的にしたイジメのはじまりを告げる机の落書きをしているのかもしれない。
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