キミと秘密の交換恋日記
高校生にもなってイジメなんてあるのかな?

そんなことを考えてしまい、わたしは教室に入れないままずっと教室の外にいたんだ。

やばいよ。このままじゃ遅刻どころか欠席扱いになっちゃうよ...。

わたしの通っている明徳高校は単位制だから単位を落とせば留年になるか、夏休みや冬休みが削られ補修を鳴ってしまう。それに、進学希望のわたしがこのまま授業を出ないままでいると出席日数が足りなくなり進学も就職も難しくなってしまうんだ。

動かない足を無理矢理、動かそうとしてもそれは困難。

――どうしよう。どうしよう。

わたしが不安に押しつぶされそうになりただ俯いていることしかできないでいる時だった。

わたしの前に大きな影が集まったような気がした。

「ねえ、一緒に行こうよ。」

それは今日の朝、初めて聞いたような声。

四十川くんのわたしを気にかけてくれる優しい声だった。

わたしが俯いていた顔を上げると、四十川くんとわたしが保健室で休んでいる間に入ったのであろう男の子のグループのメンバーが笑ってわたしに話しかけてきた。

「コイツ、ウケるんだよ。隣の席の人が来るまで教室に残るとか言って。だから、おれらもついでにサボってた。なぁ、萩原にこだわる理由ってなんなんだよ。」

「転校生に目を輝かせているようなお前らにはわからねぇよ。」
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