キミと秘密の交換恋日記
そんな他愛のない友情トークをしながらわたしたちは音楽室へ移動した。

「遅れて申し訳ありません。」

全員で音楽室に入り、一気にそろって授業を教えている先生に頭を下げた。

先生は何も言わずにわたしたちを見て出席簿にチャックをつけはじめる。

先生がわたしの方を見て、「お前、誰だっけ？」と一言言う。

先生がわたしの名前をわからないこともわたしの中で納得がいく。

だって、わたしはずっと目立たないようにしながらクラスの人たちが移動する群れに混ざりこみいつも音楽室へ入っていたのだから。

「萩原　愛美です。」

今日はいつもと違う風に笑って先生に名前を告げた。

「あぁ、萩原か。それで、萩原の隣にいるのが今日転校してきたっていう四十川か？」

四十川くんは先生の問いかけにただうなずいて答えた。

そして、先生はその後ろにいた男の子たちを見渡し何も言わずチェックをつけていく。

そう先生がしているうちに、わたしたちは空いている後の方の席に座って音楽の授業を受けた。

「みんなごめんね。わたしのせいで欠席扱いになっちゃって。」
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