【完】恋愛事情



「はー。ほんまに罪深い子やわー…」



がしがしと固い髪質の頭を乱暴に掻きむしって、オレは呟いた。



今までの恋愛って、なんやったんやろ。
思えば、きっつい香水纏った子やら、やたらベタベタとボディタッチの多い子ばっかで、それに流されてた気がする。



でも。
今は、違う。
違うんよ。




はっきり、自分の意思で、彼女が好きやねんて。



彼女は、オレんこと、恋愛経験めっちゃ豊富な、ちょっと遊び人だと思うてる節があんねんけど。



それは、ほんまに間違いで。



…真剣に、それはもう、ほんまのほんまに、嘘偽りなく。


所場所構わず、「好きやー!!!」と叫びたくなるほどに…好きやねん。

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