【完】恋愛事情
「おい。そこのばか眼鏡。自主練サボってんじゃねーよ」
どか。
背中にボールをぶつけられた。
「いったぁ~…こら!吉原!何すんねや!オレの繊細な体に傷付いたらどうしてくれんねん!てか、ばか言うな!せめてアホにせぃ!」
「あぁ?しょーがねぇな。じゃあ、訂正してやるよ。このあほ眼鏡。さっさと柔軟でもしがやれ。デレっとしてんじゃねーよ。大事な部活の最中に」
「ひど!なんなん?!その冷めた言い方!もっと愛があってもえぇんちゃう?!」
「お前に愛なんざ一欠けらもねぇよ。気色悪い」
ケッと吐き捨てられて、オレはそれ以上何も返せず、しくしくと泣き真似をしながら、いつものポジションで柔軟を始めた。