【完】恋愛事情
だめ。
聞いちゃ、いけない。
これ以上は、ダメだ…。
なのに…。
「おい。大したことないって…それに望んでねぇってどういうことだよ?笠野…仮にもお前、彼氏だろーが」
「そのまーんま。言葉通りや大体、欲しいとも思わんしな。…分かるやろ?それくらい」
「ち、てめぇ。馬鹿にしてんのかよ。あぁ?」
「してへん、してへん。あ、それよりなぁ、こないだのことなんやけど……」
その後は、何も聞こえなくなった。
きっと、裕が部室の奥へと移動したせいなんだろうけど。
あたしは、ガクガクと震える足をなんとか立たせて、やっとの思いで其処を去った。