【完】恋愛事情
「どうでもいいのか?」
なんて。
あの時、一瞬厳しい顔で、吉原に言われたけれど。
どうでもいいなんて、そんなわけあらへんやんか。
そんなんで、済ませられへんよ。
好き、なんや。
ただ、ただ、好き。
隣に居るだけでよかった。
手を繋げるだけでよかった。
見つめ合えるだけでよかった。
そう願い続けて。
漸く、抱き締め合ったり、キスしたり…恋人らしいことが出来るようになって。
オレの胸は、他の誰が思う以上に…満たされていくんや。
だから。
彼女にも、これだけは、分かってて欲しい。
「何も、望まらへんよ…?だって…」
その後の言葉は、音にはならなかった。