【完】恋愛事情


「どうでもいいのか?」


なんて。

あの時、一瞬厳しい顔で、吉原に言われたけれど。



どうでもいいなんて、そんなわけあらへんやんか。


そんなんで、済ませられへんよ。



好き、なんや。


ただ、ただ、好き。


隣に居るだけでよかった。
手を繋げるだけでよかった。
見つめ合えるだけでよかった。


そう願い続けて。

漸く、抱き締め合ったり、キスしたり…恋人らしいことが出来るようになって。


オレの胸は、他の誰が思う以上に…満たされていくんや。


だから。

彼女にも、これだけは、分かってて欲しい。



「何も、望まらへんよ…?だって…」





その後の言葉は、音にはならなかった。


< 31 / 65 >

この作品をシェア

pagetop