【完】恋愛事情
「あはは…なんか、よく…分かんなくなってきちゃって…。裕って。…ほんとにあたしのこと好き、なのかなぁ?あたしの気持ち、どうでもいいのかなぁ?…っごめん。ちょっと…混乱してる…」
思わず、ぽろりと零れてしまった本音。
こんなこと言われたって、圭吾が困るだけなのに。
じわり、と涙が浮かんだのを、必死で拭って、圭吾を見ると、じっとあたしのことを見つめていた圭吾の瞳が細くなり、くしゃっと頭を撫でられた。
そして、酷く優しい声で、名前を呼ばれた。
「華依…お前が好きになった男なんだろ?じゃあ、もう少し自信持て。いいか?」
「…うん。圭吾、ありがと……」
勇気付けられて、少しだけ気持ちが上がる。
圭吾の優しさが嬉しくて、あたしは素直にお礼を言って、家に向かうことにした。
一つの、決心を…胸に。
「やっぱり、明日ちゃんと自分の気持ちを伝えよう…」
と。