空の色をおしえて
「ありがとう。今度来てくれた時はお店の中に入って待っててよ。コーヒーくらいおごるからさ」
「うん。でもあのカフェってお店の作りからして女の子っぽいから、入りづらくって」
何も知らない彼は、そう言ってまた、優しく微笑む。
本当は、重荷にならないように外で待っていてくれているのは明白だった。
その優しさにも、その一途過ぎる想いにも、わたしはずっと正面から向き合わずにいた。
彼の想いを本当の意味で受け入れる日は、きっとこないとわかっていても、それを伝えるのは恐かった。
これ以上大切なものを失ってしまうのは、恐ろしくて足がすくんだ。