空の色をおしえて

女子たちはまったく納得のいかない様子でブーイングの嵐。

秋人と隼人君は確かにイケメンの部類に入るのだろうけど、そんな理由で今まで一緒にいたわけではない。

だがそれをこの場でどう説明しても、きっと理解してはもらえないのは分かりきっていた。

ここにいる女子たちが期待しているようなピンク色の話は、到底出来そうにもない。



どうしたらこの話題から回避出来るだろうかと頭を悩ませていると、廊下からわたしを呼ぶ声がした。




「美咲ちゃん!」




あぁ……
タイミングがいいような、悪いような……



「きゃ~!!王子様その2が呼んでるじゃん!!」


その2って……弟だからその2ね、なるほど

なんて冷静に考えながら席を立つ。

でもある意味助かったかもしれない。

まだ黄色い声をあげてはやし立てる女子たちの群れから何とか抜け出し、廊下に出た。

 
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