空の色をおしえて
「駄目ではないよ。でも今回の展覧会は入賞しないと展示すらしてもらえないからね。思いきって新境地を開拓したいの」
「ふ~ん。お前ってさ、昔から評価がかかると目の色変わるよな。でもそれってさ、なんつーか、つまんなくね?」
なんで秋人には何もかもお見通しなんだろう。
昔からそう。いい加減そうに見えて、意外と確信をついてくる。
確かに幼い頃からわたしは評価のかかる場面になると突然気張って、結果的に発想が追い付かずに迷走するパターンは多かった。
良くない癖だ。
でも頭では分かってはいても、そう簡単に変えられはしないものだった。
「美咲はさ、あれだな」