空の色をおしえて


よいしょっと掛け声をかけて体を起こし、上半身だけでこっちを振り向いた。


「没頭しすぎて、大切なものを見失うタイプだね」


秋人は時々言うことが抽象的過ぎて、瞬間的には理解出来ないことがある。


「え?どういう意味よ?」

「そのうちわかるさー」と言って立ち上がり、わたしの肩をぽんぽんっと叩いた。



大切なもの……わたしにとって大切なものってなんだろう。


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